確定申告をする際、領収書の日付が年内であれば、フリーランス・個人事業主の方は、経費になると考えがちです。年内の日付の領収書が経費にならない備品の購入について解説します。
年末に30万円以上の資産を購入した場合
フリーランス・個人事業主の方が、今年の業績を月次で確認している場合。
前年以上に業績が良かった場合に、どんな節税があるのか聞かれることが度々あります。
そんな時、個人の所得税の節税として以下のことをお話します。
- ふるさと納税
- 小規模企業共済
- 少額減価償却資産の特例
今回は、少額減価償却資産の特例について解説します。
少額減価償却資産の特例とは
少額減価償却資産の特例とは1個あたり30万円未満のものを消耗品費として、全額経費にする特例です。
適用が受けられる方
青色申告書を提出する中小企業者の方
※中小企業者とは、常時使用する従業員の数が1,000人以下の方
適用対象となる資産
- 1個あたりの取得価額が30万円未満の減価償却資産(建物・設備・構築物・器具備品・ソフトウェアなど)
- 年間トータル300万円が限度
適用を受けるための要件
確定申告書に少額減価償却資産の取得価額に関する明細書を添付すること
気を付けるべきは消費税
消費税の課税事業者の方(2年前の売上が1,000万円超)
消費税が課税事業者の方は、
- 税込経理
- 税抜経理
を選択することが出来ます。
そのため、
- 税込経理をしている方は、税込で1個あたり30万円未満
- 税抜経理をしている方は、税抜経理で1個あたり30万円未満
を特例に該当するか判定します。
消費税の免税事業者の方(2年前の売上が1,000万円以下)
免税事業者の方は、必ず税込経理で判定します。
そのため、税抜29万円の備品を買っても、税込で31.9万円になると満たさないことになります。
ここでの注意点はフリーランス・個人事業主の方が消費税の
- 課税事業者
- 免税事業者
に該当するのかを判定すること。
経理の方法が
- 税込経理
- 税抜経理
なのかを会計ソフトの設定を整え、30万円未満判定を行うことです。
年末に受託生産のパソコンを購入した場合
実は、フリーランス・個人事業主の方があまり気にされていない事。
でも、税務調査のときに指摘を受けることがあります。
それは、現金を払って、レシートや領収書の日付が12月31日までの日付。年内だから当然経費と思われるかもしれません。
しかし、資産の引渡しを年明けに受けて、経費として計上できない事をご存知でしょうか?
特に、気をつけるべきは、オーダーメイドの家具や受託生産のパソコンです。
オーダーメイド家具や受託生産のパソコンは、
- 製作に時間がかかる
- 年末で業者が忙しい
- 業者も年末前に仕事納め
上記理由で、年内の引渡しを受けることが出来ないことがあります。
引渡しを受けて経費になるため、年末のレシート・領収書・クレジットカード明細などであれば、引渡しの日がいつなのか?
税務調査で指摘を受けることがあります。
年明けに引渡しを受けているのであれば、年内の経費にならないため、確定申告のときに、経費から外し、前払金処理しなければなりません。
資産の支払いをした時ではなく、資産の引渡しを受けて経費になることを考えて、年末前には、少額資産の特例で節税をしましょう。
まとめ
- フリーランス・個人事業主の方は、青色申告承認申請書を提出して、青色申告で所得税の確定申告をしましょう。
- 1月からの経理をクラウド会計ソフトなどで経理をし、10月や11月までの数字が見れる状況にしておきましょう。
- 消費税の課税事業者か免税事業者かを判定しましょう。
- 税込経理か税抜経理かを会計ソフトの設定を確認しましょう。
- 1個30万円未満の資産を購入する場合、年内に引渡しを受けましょう。
上記の状況であれば、今年の業績が良かったときに、今年の消耗品費として、全額経費にすることが出来ます。
毎年のことですので、年末のバタバタする考えるのではなく、普段から考えておくと上手な資産の買換えが出来ます。
ぜひ普段から考えてみてはいかがでしょうか?
最後に
編集後記
フリーランス・個人事業主の方から年末でも出来る節税について、聞かれることが多いです。
小規模企業共済の年払いも12月24日までなので、間に合うように手続きを進めています。
そんな中で、受注生産のパソコンは、引渡しに時間がかかり、経費を否認されるので、記事にしました。
昨日は、顧客訪問と年末調整という1日でした。
1日1新
ふるなび
フリーランス・個人事業主の方の小規模企業共済による節税については、こちら↓